今回は一戸建てのLDKで介護をされるお宅の、ツーバイフォー材を使ってテレビを壁掛けにすることで、家具のレイアウトや動線が劇的に変化した例をご紹介します。
上の写真は、レイアウトを変更する前のLDKの間取りです。横を向いてテレビが見にくくなったことと、介護リフトを使用して車椅子の移乗や訪問入浴の際の簡易浴槽の設置のスペースの確保が必要となりました。
1日のほとんどをベッドで過ごすようになると、テレビは重要な娯楽の1つです。また、エアコンの風向きや窓からの光の入り方も重要になってきます。それらを踏まえて、限られた空間の中でレイアウトの検討を行いました。
ベッドで体を起こしてテレビを見るためには、通常のテレビボードより高い位置に設置することと、ベッドとテレビが向き合う形で配置することが必要です。
本棚を撤去しベッドの位置を変えることで、上の写真のレイアウトが可能になり、車椅子への移乗や訪問入浴の際の簡易浴槽を置くスペースも確保できました。簡易トイレは日に2回、使うときだけ移動させるということになりました。
Before
After
ツーバイフォー材にアジャスターを取り付けて、天井と床を突っ張って柱を立てて、棚を取り付けました。テレビの品番をお聞きしていたので、ほぼジャストサイズでテレビが納まりました。
テレビを壁掛けにすればさらにフラットな状態になるのですが、テレビの脚部を外すことができず、高さ90センチの棚に置く形になりましたが、その下には介護で使う機器類や細々した道具を収納するワゴンを配置できました。無垢材の良さを残すため浸透性の自然塗料“いろは”を塗布しています。
今後ほとんど寝たきり状態になった時に、テレビの高さをさらに上げられるよう、取り外しが容易な方法で施工しました。
介護する側も、される側も快適に過ごせるよう、今後も「あったらいいな」と思っていただけるようなご提案をしていきたいと思います。
by morimoto
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